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竹炭とは?木炭との違いと、暮らしの中に取り入れられる理由とは?

身延竹炭企業組合

桜の開花とともに、春の訪れを感じる季節となりました。
山々の景色も少しずつ表情を変え、自然の巡りを身近に感じる時期です。
身延竹炭企業組合では、この季節も変わらず、地域の竹林に向き合いながら竹の伐採と炭焼きに取り組んでおります。

日本では古くから、炭は燃料としてだけでなく、住まいや暮らしを整えるための素材として使われてきました。
中でも竹炭は、成長の早い竹を原料とする点から、現代の生活や環境課題とも親和性の高い素材として近年、見直されています。

本記事では、竹炭の基本的な特徴や木炭との違い、そして近年注目されるSDGsや環境問題との関わりについてご紹介したいと思います。

竹炭とは何か ? 日本の暮らしとともに受け継がれてきた素材

竹は日本各地に自生し、古くから生活道具や建材、農業資材など、さまざまな用途で活用されてきました。かごやざる、垣根、物干し竿に至るまで、竹は暮らしの中で欠かせない素材だった時代もあります。
竹炭もまた、竹を無駄なく使い切る知恵の中から生まれた素材の一つです。竹は数年で成長する植物であり、適切に伐採・利用することで再び芽吹きます。この循環性は、限りある資源を大切に使ってきた日本の暮らし方と深く重なります。

竹炭は、自然と人との関係性の中で育まれてきた素材です。大量生産や大量消費とは異なり、「必要な分を、必要なだけ使う」という考え方が根底にあります。そのため、決して派手な存在ではありませんが、長く、静かに受け継がれてきました。

竹は数年で成長する植物であり、適切に伐採・利用することで再び芽吹きます。この循環性は、限りある資源を大切に使ってきた日本の暮らし方とも重なります。
竹炭は、そうした背景を持つ、自然と人の関係性の中で育まれてきた素材と言えます。

身延の竹炭 孟宗竹の竹炭

木炭と竹炭の違い

木炭は、主に広葉樹や針葉樹を原料としてつくられてきました。燃料としての用途が中心であったため、火持ちの良さや燃焼の安定性が重視されてきた歴史があります。一方、竹炭は竹のみを原料とします。竹は木とは異なる植物で、内部には水分や養分を運ぶ「維管束」が縦方向に多数存在しています。この構造の違いが、炭化後の性質にも影響を与えています。
竹を高温で炭化すると、維管束の痕跡がそのまま残り、内部には微細で数の多い孔(あな)が形成されます。この多孔構造は、空気や水と接する表面積が大きくなる要因の一つとされています。木炭も多孔質ではありますが、孔の大きさや分布には違いがあり、用途に応じて使い分けられてきました。重要なのは、木炭と竹炭のどちらが優れているかではなく、それぞれの特性を理解し、目的に応じて選ぶという考え方です。竹炭は、燃料としてよりも、生活空間や日常環境との関わりを前提に、静かに取り入れられてきた素材だと言えるでしょう。

暮らしの中で竹炭が選ばれてきた理由

竹炭は、香りで覆い隠すのではなく、環境そのものを整えるための素材として使われてきました。そのため、押し入れや靴箱、収納スペース、室内の隅など、目立たない場所で活用されることが多かったのも特徴です。また、一定期間使用した後に天日干しを行い、繰り返し使われてきた点も、昔ながらの生活の知恵を感じさせます。手をかけながら長く使うという考え方は、現代の「使い切る」「育てる」という価値観にも通じるものがあります。便利さだけを追い求めるのではなく、少し手間をかけることで暮らしを整える。その発想こそが、竹炭が長く選ばれてきた理由なのかもしれません。
近年、全国各地で放置竹林が課題となっています。管理されなくなった竹林は、周囲の森林や農地に影響を及ぼすことがあると指摘されています。竹を伐採し、竹炭として活用することは、竹林整備の一つの手段として考えられています。地域にある資源を地域で使うという循環は、環境負荷を抑える視点からも注目されています。

・再生可能な資源を活かすという視点(目標12)
竹は成長が非常に早く、数年で再び利用可能な状態になります。こうした再生力の高い資源を適切に伐採し、無駄なく活用することは、「つくる責任・つかう責任」という考え方に通じます。竹炭は、自然素材を長く使い続けるという、日本の暮らしに根付いた価値観を現代的に捉え直す素材でもあります。

・竹林整備と環境への配慮(目標15)
管理されない竹林は、周囲の森林の生育環境に影響を及ぼす場合があります。竹を伐採し、竹炭として活用することは、竹林を適切に管理する一つの方法として考えられています。地域の自然環境を守るために、資源を活かしながら整えていく取り組みは、陸の豊かさを守るという目標とも重なります。

・地域循環と持続可能なものづくり(目標13)
竹を地域で伐採し、地域で炭にし、地域で使う。この循環は、輸送や大量生産に頼りすぎない、身の丈に合ったものづくりの形です。環境への配慮を意識した取り組みとして、こうした地域循環型の考え方は、今後さらに重要になると考えられています。

身延町竹林

身延竹炭企業組合では、竹の状態や季節、窯の温度管理などを見極めながら、竹炭づくりに取り組んでいます。竹は一本一本性質が異なるため、画一的な作業ではなく、状況に応じた判断が欠かせません。効率だけを優先するのではなく、長く使われることを前提とした品質を大切にする。この姿勢は、これまで受け継がれてきたものづくりの考え方そのものです。
竹炭は、特別な存在ではなく、暮らしの中に静かに寄り添ってきた素材。自然素材であること、繰り返し使われてきた背景、地域資源を活かす視点など、その価値は多面的です。

竹炭を通じて、自然と人が無理なく関わり続けるための在り方を、これからも丁寧に伝えてまいりたいと思います。

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